薬を飲もうとしている男性

クラミジア感染症は日本国内で一番感染者数が多い性感染症で、特に10代から20代にかけての若い年代の男女を中心に患者が増えています。クラミジアになる原因は、病原菌が人体の粘膜に感染して炎症を起こすことです。病気を治すためには、治療薬(抗菌薬)を投与して粘膜の細胞に感染した病原菌を死滅させる必要があります。初期症状の段階であれば、飲み薬タイプの抗菌薬だけで治すことができます。

クラミジアの病原菌に有効な治療薬にはいくつかの種類があるので、病状や患者の体質に合わせて選ぶことが可能です。有効性が認められている治療薬は、マクロライド系・ニューキノロン系・テトラサイクリン系の抗生物質が配合されている抗菌薬です。

マクロライド系抗生物質は、病原菌が細胞分裂をする際に必要なタンパク質の合成を阻止することで増殖を抑える働きがあります。薬の有効成分は細胞内でタンパク質の合成をするリボソームと呼ばれる器官に結合して無力化します。使用される治療薬には、ジスロマック(アジスロマイシン)・エリスロシン(エリスロマイシン)・クラリス(クラリスロマイシン)などの種類があります。

ニューキノロン系抗生物質は、細菌が増殖をする際にDNAのコピーを複製する働きを阻止することで抗菌作用を発揮します。ニューキノロン系抗生物質が配合された治療薬には、クラビット(レボフロキサシン)・グレースビット(シタフロキサシン)などがあります。

テトラサイクリン系抗生物質はマクロライド系と同じように、病原菌の細胞内でリボソームに結合してタンパク質の合成を阻止する働きがあります。ただし、マクロライド系とは違う部分に結合してタンパク質の合成を邪魔します。使用される治療薬には、ミノマイシン(ミノサイクリン)・ビブラマイシン(ドキシサイクリン)などです。

クラミジアの治療に有効な治療薬は多くの種類がありますが、抗菌作用の強さや副作用にも違いがあります。このため、病状や体質に応じて適切なタイプの治療薬を選ぶ必要があります。初期の性器クラミジア感染症であれば、飲み薬タイプのジスロマック(アジスロマイシン錠)が多く用いられます。重症化した場合には、ミノサイクリンが点滴で投与されます。

クラミジアの病原菌は細胞壁を持っていますが、ペプチドグリカンと呼ばれる糖類を含んでいません。このため、ペプチドグリカンの合成を阻止するタイプの抗生物質を投与しても効果がありません。ペニシリン系・セフェム系・アミノグリコシト系の抗菌薬は、クラミジア菌に対して無効です。